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紙によって⿊の⾒え⽅が変わる理由

こんにちは。印刷課のTです。

前回、紙の⾊によって印刷の⾒え⽅が変わるお話をしました。
(前回|印刷における紙⾊の影響とインキ調整|https://towaprint.com/new/11144/

今回は、「同じ墨インキ(※)を使っているのに、紙の種類が変わることによって⿊の⾒え⽅が変わる理由」についてご紹介したいと思います。
※墨インキ(墨/スミ):印刷で使われる⿊⾊のインキ。CMYKのK版(⿊版)の印刷に使⽤されます。

 

 

 

紙の種類によって⿊⾊が違う?

 

印刷現場では、
「データもインキも刷り⽅も同じなのに、⿊の印象が違う」
「⾒本よりも⿊が濃く⾒える」
といった声を⽿にすることがあります。

もちろん印刷条件によって変わることもありますが、その原因が「インキ」や「刷り⽅」などではなく「紙」であることも少なくありません。
今回は代表的な紙である「コート紙」と「上質紙」に注⽬し、同じ⿊でも⾒え⽅が変わる理由を⾒ていきましょう。

 

●コート紙に⿊を刷ると

 

同じ⿊を印刷しても、コート紙では濃く引き締まって⾒える傾向があります。
コート紙は表⾯に塗⼯層があるため、インキが紙内部へ過度に浸透しにくく、
表⾯に⽐較的均⼀な状態で保持されます。
そのため、⿊の濃度感が⾼く、引き締まった印象に仕上がります。
また、表⾯が滑らかなことで光の反射も均⼀になるため、同じ⿊でもコントラストが⾼く、深みのある⿊として表現されやすくなります。

 

●上質紙に⿊を刷ると



同じ⿊を印刷しても、上質紙ではコート紙に⽐べて⿊がやや柔らかく、落ち着いた印象に仕上がります。
上質紙は塗⼯を施していない⾮塗⼯紙のため、コート紙よりもインキが紙内部へ浸透しやすい紙です。
そのため、表⾯に保持されるインキ量が⽐較的少なくなり、⿊はやや柔らかく落ち着いた印象に⾒えます。
また、上質紙は表⾯に細かな凹凸があり、光がさまざまな⽅向へ乱反射するため、コート紙のような締まった⿊ではなく、落ち着きのある⿊として感じられます。

 

 

 

実際に⽐較すると

 

ここまでご紹介したように、同じ⿊を印刷しても、コート紙では⿊が引き締まって⾒え、上質紙ではやわらかく落ち着いて⾒えます。
実際に⾒⽐べると、その違いはより分かりやすく感じられます。

今回使⽤したチップでは、コート紙の⿊80%と上質紙の⿊100%が、ほぼ同程度の⿊さに⾒えることが分かりますね。
このように、同じデータ・同じ⿊で印刷しても、紙の種類が変わるだけで⿊の⾒え⽅は⼤きく変化します。

わたしたちは、紙に乗るインキの量だけではなく、「紙の表⾯構造」「インキの吸収・浸透の仕⽅」「紙の光沢」「光の反射・拡散の仕⽅」など、いろいろな要素を合わせた中で「⿊」を⾒ているんです。

 

 

 

 

印刷で⼤切なのは紙を知ること

印刷では、インキだけで⾊が決まるわけではありません。どんな紙に刷るのかによって、⿊の深さや⾊の鮮やかさ、コントラストなど、仕上がりの印象は⼤きく変わります。
同じ墨でも、コート紙は「締まった⿊」、上質紙は「落ち着きのある⿊」と、紙が変わるだけで⿊の⾒え⽅は⼤きく変わります。どちらが良い・悪いではなく、それぞれに違った魅⼒があると思います。

同じインキでも、紙によって印象が変わる。
そこも印刷のおもしろいところではないでしょうか。

紙の特性を知ることも、より良い印刷物づくりにつながるのではないかと思います。

 

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また、印刷物の⿊の⾒え⽅は紙だけで決まるわけではありません。印刷直後と時間が経過した後では、インキの乾燥によって⾒え⽅が変化することがあります。

これを「ドライダウン」といいます。

次回は、「なぜ昨⽇と今⽇で⿊が違うのか? ドライダウンとは」についてご紹介したいと思います。

 

 

 

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