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冬は印刷にとって厳しい季節 -冬の印刷現場で注意していること-

 

こんにちは、印刷課のYです!
寒い日が続きますが、冬の寒さが印刷にとって大敵なのをご存知ですか?

今回は、印刷工場で冬場に起こる印刷不良に繋がりかねない現象と、
それに対する対策についてお話しします。

 

【温度が低い(寒い!)と起こること】

 ● インキが冷えて硬くなる
・レベリングが悪くなりブロッキングのリスクが増える
・ドットゲインやトラッピングに影響するので、再版ものや本機校正刷りは色が合わない可能性が高くなる
・エッジピックが起こりやすくなる

 ● 機械が冷えている状態から、稼働して温度が上がる
・温度の変動帯で色ムラのリスクがある
・急激に温度を上げると結露が生じる可能性がある

 ● 印刷資材のゴムや、資材の樹脂部品が冷えて収縮したり硬度が増したりする
・ローラーやブランケットで使用するゴムが収縮し径が細ると、インキや湿し水の転移量が変化する
・樹脂製のエアチューブが経年劣化で硬化している場合、寒い朝に動かした瞬間亀裂が入りエアー漏れを起こす可能性がある

 ● 外から入ってきた冷えた紙を印刷機に通すと、熱交換されて印刷機も冷える
・前述したリスクに繋がる

 ● 冷えた紙をあたたまった工場内に入れると、紙やその周りが急激な温度変化を起こす
・紙が結露で濡れてしまう
・酷い場合は、工場の床も結露で濡れてしまう場合がある

 

【湿度が低い(乾燥!)と起こること】

 ● 乾燥していると静電気が発生しやすい
・給紙不良(紙が出ない!)・排紙不良(紙が揃わない!)
・印刷後の紙が張り付いてブロッキングのリスクが増える
・コスレが発生しやすくなる

 ● 時間経過によって印刷用紙も乾燥する
・紙内部の水分が飛ばされることによって、波打ちやおちょこなど紙クセが発生する
・紙表面がカサカサになり紙ムケしやすくなる

そう、寒さや乾燥は印刷に優しくないんです…細かく話すともっとたくさんあります…。
だからこそ、冬場はこれに対して徹底的に対策を講じています。

 

藤和の工場では稼働時、空調・加湿設備によって室内の温度と湿度を一定に保つように管理しています。
室内温度・湿度の管理は、印刷品質を安定させるとともに、様々な印刷不良を防ぐために必要不可欠です。
弊社では、長年の経験から目標室内温度と目標室内湿度の数値を、藤和独自で設定しています。

稼働時に管理していても終業後~始業時の間に工場は冷え切ってしまうので、朝一の印刷前準備は重要です。
※冬場の戸田工場では、常時暖房を付けて室温を保っています。

・出勤が一足早い、加工課・工務課の社員が朝一に空調・加湿設備をつけて室内環境を早めに整える
 ・冷えたインキはしっかり温めてから使用する
 ・ダミーの印刷をして機械を温める  など

その他、
・白紙は乾燥と吸湿による紙クセを防ぐため、そのまま放置せずラップで包む
 ・先刷り面印刷後、返し面は基本即返しで印刷する
 ・ローラーやブランケットは径の変化を考慮し、こまめな確認を実施し維持管理する
 ・朝の印刷機起動時に、耳をすまして注意深くエアー漏れがないかを確認する
 ・静電気除去装置を使用する  など

 

冬の寒い時期は、他の季節に比べると注意する事項がかなり増えます。
しかし良い印刷物をお出しするために必要な“当たり前の確認事項”として、しっかり対策をとっています!

 

 

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